ナイフの缶詰

心は少年、身は中年。常に好奇心を持ち、全てのものに感謝しながら、気づいた事を書いていきたい。

何もしていない時、何をしているのか? その5 ストレスについて

処理しきれないほどの問題が降ってくるとコンピュータだって動作できなくなります
CPUは何もしない時は、何もしない命令を実行していると書きました。
では、Windowsが起動して、誰も使っていない時は何もしていないのでしょうか?
っていうとそんな事ないですよね。ウイルスチェックしたり、スクリーンセーバー動かしたり、時計の時刻を変更するのもCPUの役目です。誰かがマウスをチョンってつつけばマウスのポインターの絵の位置をずらさないといけないし、ログイン画面も出さないといけない。やる事はいっぱいあります。ちょうど人間の小脳みたいなものですね。ここ止まったら、死にますから、人間は。
こういう基本的な操作が仮にCPUの30%を使っているとすると残りの70%を使ってブラウザを開いたり、メールを書いたりしているわけですね。
では70%を使い切るとどうなるか?

30%はなるべく取っておくように頑張るのですが、だんだんと遅くなってきます。
生命維持に使う分が食いつぶされる事があります。
こういう状態をコンピュータでは「ハングアップ」もしくは簡単に「ハング」って言いますが、さらにおかしい状態になると「クラッシュ」につながります。

コンピュータの事であれば、いやだなあ、しょうがないなあ、再起動でなんとかなるかなあ、買い換えるかなあ、それともクリーンインストールしてみようかなあって、考えがちですが、これが人間だとどうなりますかね?

コンピュータはクラッシュしても再起動が簡単にできるし、ハードウェアの障害でなければそのまま稼働を開始します。でも、人はそうはならない。一度壊れると、とても時間がかかるし、死んじゃうかもしれない。そう考えると、ストレスって本当に怖いのだなあって今更ながら思いました。

じゃあ、どうやって脳の稼働率を下げてあげればいいのか?
次回はコンピュータの例をヒトに当てはめて考えてみたいと思います。

ナイフ@最近更新サボりがち〜

 

何もしていないとき、何をしているのか? その4

今回は人間の脳について

僕は長い間、体の不調を「ストレス」の所為にするのは、違うんじゃないかと思っていた。本来は原因が他にあるにも関わらず、これを見つけきれない医者が気休めというか言い訳で使う言葉が「ストレスかもしれませんね」だと捉えていました。

でも、脳の稼働率が高い状態が続くと、体に悪そうという事は容易に想像できるし、こういう状態が続く事を「ストレス」と置き換えて考えてもいいと改めて思った。100に貼り付けば生命維持に必要な30%から切り崩して持ってくるかもしれない。

恋愛や失恋でも人によっては精神疾患と同じ状況になる場合もあるし、逆に悩みも少なく平安な日々を過ごしている人は脳の稼働率が普段は高くないのだろう。さらには複数の悩みが頭の中でこんがらがっている場合もあるだろう。1つ1つは大したことのない負荷でも積み重なることで結果として高負荷になる場合もあるだろう。

思い悩むこと自体が問題ではないけど、解のない問題が、堂々巡りしている状態は好ましくない。これらの鎖を断ち切らない限り稼働率は下がらないのですから。

 

最近読んだ本に書いてあったのですが、アメリカの心療内科では薬を処方するケースが減少しているそうです。理由は投与したケースと投与しなかったケースで長期にわたり観察した結果、完治にかかる期間に大きな差がないことが分かってきたからだそうです。

 

「よく眠れません」とか「動悸が激しくて」に対して薬を処方するのが正しいとは限らないという事なのでしょう。眠る事で、ある程度脳を休める事にはなるのでしょうが、根本を絶たないと意味がないのでしょう。

 

つづく

 

何もしていないとき、何をしているのか? その3

コンピュータの世界では「デットロック」という問題がある、

・Aを処理するためにBが必要なのでAをキープしてBの空きを待つ

・Bを処理するためにAが必要なのでBをキープしてAの空きを待つ

二人の子供が互いに、「はさみ」と「のり」を占有し貸しっこできない状態。これでは先に進まないし何も作れない。こういうのをデットロックという。お互いがお互いのリソースを求め合い先に進まない。堂々巡りに似ていますよね。

 ではデットロックが起きたとき、コンピューターはどうするのだろうか?

こういう問題の時、どうするべきか?というのはコンピューターにとっては、割と高度な問題になる。のりをもっているA君とはさみをもっているB君どっちも悪くはない。悪いのはリソースを競合させてしまった「せんせい」にある。かといってほったらかしておいても、にらみ合いは続く。人間の世界であれば30分もすれば均衡は崩れ、どちらかが根負けすることになるが、残念ながらコンピュータの世界に根負けという言葉はない。ひたすら相手のリソースが空くのをにらみ続けることになる。一昔前のコンピューターでは「せんせい」にあたる仕組みが仲裁に入る。でもいちいち仲裁に入ると色々な問題が出てくるという別の問題もあります。

Windowsではこの問題を解決するために、今までとは全く違う方法が用いられた。Windowsではにらみ合いが起きると、そのうちの1人をえこひいきする。せんせいは出てこない。代わりに年長者にものすごい権力を与えて、ほかの人が握っている「のり」を取り上げる力を一瞬だけ分け与えるのです。こうして力の均衡をあえて崩すことで、デッドロックを回避しているのです。では人間はどうやって堂々巡りを回避すればいいのだろうか?

つづく 

 

 

何もしていないとき、何をしているのか? その2

逆に人間の脳に当てはめてみると

処理能力の30%くらいは基本的な生命維持に充てられているとして、残りの70%くらいを使って、仕事をしたり生活していたりする。30%は寝ているときも常に消費し続けるので、これだけでも一定の負担が脳にはかかっている。仕事で思い悩んだり、人と会話をしたりすると、70%の領域を使って脳が稼働し始める。緊張したり、興奮したりすると、すごい勢いで回転して100%を張り付くことになる。稼働率が高い状態が続くと、睡眠をとっても処理が山積となり、なかなか寝付けなかったりする。いったん睡眠に入ると、残った部分を処理して解消させるために夢を見る。

効率よく物事をこなして充実した毎日を送るには、脳の稼働率を上げる必要がある。ただ、上がりっぱなしでは疲れが残りそのうちオーバーワークとなる。なんとなくだるい、疲れが取れない、ストレスかな?そんな状態はCPUのオーバーワークと関係がある。

特に問題なのが、「堂々巡り」あれこれ悩んだりするのはしょうがないことではあるけど、繰り返し同じことを何度も何度も考えて、グルグル回ってしまうとムダに脳の使用率が上がってしまう。一旦こうなると、ぼーっとしている間もずっと、同じことを考えている。つまり脳の使用率が高い状態をキープしてしまうのだ。対して難しくもない問題でも、同じことを繰り返し考えていると陥る。

ところで、堂々巡りは人間だけではない。コンピューターでもあるのを知っていますか?

つづく

 

 

何もしていないとき、何をしているのか? その1

コンピューターでCPUの使用率っていうのがあって、これが100%に張り付いている状態だととても遅くなるのです。マウスがカクカクって動き出したときは大体CPUの使用率が100%で張り付いている状態です。何かが暴走しているので、なんとかしないといけないのですが、今日の話はそこではなく、何もしていないときはCPUは何をやっているか?ってご存知ですか?

つまりCPUの使用率が30%だとして、残りの70%は一体何をやっているのでしょう?

人間にたとえてみると、70%は何もしないで、ぼーっとしているということですが、人間であれば、何もしていないって言いながら、どうでもいい事をあれこれ考えている、つまり雑念が次々と浮かびますね。コンピューターは何もしていないとき、どうしているのでしょうか?

実はCPUも「何もしていない」というプログラムが実行されているのです。

CPUは常に決まった速度で動作し、CPUに入ってきた命令を順番に処理します。割り込みが発生すると今までの仕事をいったん中断し、それを実行してから、次の処理を実行し始めます。とはいえ処理することが何もなくなると、止まっているのかというとそうではありません。止まれないんですね。なので「アイドリングインストラクションセット」という実行しても何も結果を生まない命令をひたすらグルグル回しているのです。ただ、やみくもにグルグル回していると電気代の無駄ですので、最近のCPUは処理の回数を自動的に減らすような高度な仕組みが内蔵されています。でも、「何もしない命令」を実行し続けるのは同じことです。1+1=2みたいなのをひたすらやっているのです。